tanukinancのブログ

高専、編入、博士課程、阪大基礎工、留学、マレーシア Malaysia

編入試験体験記

 高専に入ってから編入試験までの道のりをまとめました。

 書こうと思って先延ばしにしていたら1年近く経ってしまった(笑)

 

 

 これは前回の記事です。

tanukinanc.hatenablog.com

 

 

1年

 混合学級で1~2位,学科で1位。

 1年後期に英検準2級に面接で落ちた...何かを変えなきゃと留学を決意する。

 

2年

 混合学級で1~2位,学科で1~3位

 後期に英検2級に合格。面接対策をしっかりしてぎりぎり受かった。

 

マレーシア

 1年間休学してAFS交換留学に参加した。現地の高校に通っていたが,現地の成績は関係ないのでかなりのんびりと過ごしていた。
 ホームステイは田舎に配属だったので,マレー語を覚えた。

 

3年

 学科1位

 元々は就職するつもりだったけど,先生や先輩に進学を勧められ,進学を意識するようになった。
 3年になる前の春休みに元同学年の友達に誘われてZENPENに参加した。まだ行きたい大学も分からなかったので,適当に聞いていた。今思うと難関大の先輩方ばかりで,すごい人たちだったんだなと思う。

 留学後はあまりモチベーションが上がらなくなった。成績はなんとか維持してたけど,前より勉強量が少なくなった。部活や同好会はさぼるようになった。

 9月にTOEICを受けて710点だった。思ったより高かった。
 図書館でTOEICの初心者用に問題構成を解説した参考書と公式問題集を借りて勉強した。特にリーディングは時間勝負なので公式問題集でどのくらいのペースでやるべきか確かめられる。

 

公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4

公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4

 

 

 

4年

 学科1~2位

 学校で受けたTOEIC IPは765点だった。 

 大阪大学工学部の学力か京都工芸繊維大学の推薦にしようかなーと考えていた。なぜか関西地方に惹かれていた。モチベーションが低かったから,推薦受けるんだろうなぁと思っていた。それでも,高専で学んだことをしっかり身に着けてから大学に入った方がいいと考えていたので,少しは勉強やらなければと思っていた。

 一応,数学は11月くらいからのんびり始めた。

 

大学編入のための数学問題集

大学編入のための数学問題集

 

 定番のこれ。初めはB,Cは結構難しかったからAだけを1周した。

 実験のレポートやらでなかなか編入勉強は捗らなかった。Aだけでも1周し終わったのが3月だった。さすがに遅すぎる(笑)。

 

 TOEICを提出する大学を受ける可能性もあったので,1月編入前最後のつもりでTOEICを受け865点。前回より結構上がったのでびっくりした。
 リーディングが苦手だったので,長文対策の本を借りた。

 

1駅1題 TOEIC L&R TEST 読解特急 (TOEIC TEST 特急シリーズ)

1駅1題 TOEIC L&R TEST 読解特急 (TOEIC TEST 特急シリーズ)

 

 こんな本を何冊かやった。あとは公式問題集で集中力と体力を鍛えた。
 リスニングは海外ドラマをたくさん観ていたら,満点近く取れた。"Game of Thrones"は見始めたらやめられなくなった。(グロくてエロいので注意!)

 

 

 

 2月大阪大学基礎工学部に機械系の学科があることを知った。
 調べてみるとちょうど自分の希望にマッチしていたので,基礎工を目指すことにした。

 

大阪大学基礎工学部にした理由

1. 応用研究より基礎研究に興味があった
2. 受験科目が少ない
3. 人生一度きり!今挑戦しなかったら後悔する

 

 そんな感じで志望校を決めたが全然勉強してなかったので,自信はなかった。他人に聞かれても志望校を答えられずはぐらかしていた。

 

志望(4年3月時点)

1. 大阪大学基礎工学部
2. 京都工芸繊維大学編入勉強うまくいってなかったら推薦)
3. 岐阜大学
4. 豊橋技科大GAC

 

5年

4月

 5年になってからは嫌でも進路のことを聞かれるので,どうせ落ちるけどと思いつつ”大阪大学受けます”と答えざるを得なくなった。そうするうちに言ったんだから後戻りできないという気持ちが出て,推薦への迷いは消え,編入勉強に集中して取り組めるようになった。志望校を固めたら,口に出してみるといいかもしれない。

 春休みに"大学編入のための数学問題集"のAがやっと1周終わった。さすがに遅すぎると思って,そこからB,Cも含めてもう1周した。2周目は4月後半に終わった。
 Aだけでもできるだけ早く1周してみることが大事。基礎が身に付き,2周目からはよりスムーズになる。

 4月からは並行して編入数学過去問特訓を始めた。難易度が高い問題が多くて1周しただけでも力はついた。何周もして完璧に理解できれば,試験での心配は無用だと思う。

 

編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習

編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習

 

 4月後半に基礎工の数学の範囲が微積線形代数,確率ということに気付いた。それまでは応用数学も範囲だと思っていたので救われた(笑)

 

 滑り止めはまず豊橋技科大GACに決めた。GACはとても国際化が進んでいて,海外インターンなど魅力があった。もし編入することになっても充実した大学生活を送れるだろうと感じた。そして,試験は書類審査と面接だけ。

 出願が4月後半でとても早い。特にGACを受ける人は小論文や志望理由書などを書く必要がある。私はアピールと英語練習を兼ねて,小論文と志望理由書を英語で書いた。

 

 そして,他の滑り止めだが,京工繊と岐阜はちゃんとした志望理由もないし,できるだけ受験科目を減らしたかったので,受験しないことにした。

 その代わりに,確約書提出が基礎工合格発表より後で,基礎工と受験科目がほぼ同じ徳島大学を受けることにした。

 

5月

 なぜか分からないが高専に基礎工の過去問が10年分くらい揃っていた。

 数学は超難問以外は参考書を使いながら過去問を解けるようになった。

 基礎工の専門科目は4力。そろそろ専門もやらないとまずいと思い,教科書見たり先生に聞いたりして,過去問を解きながら復習した。

 徳島の専門は材力と機械工作法。工作法は暗記することが多い。過去問に出ていた範囲を中心に復習した。

 豊橋の書類選考は合格して6月の面接が決まった。書類選考はだいたい受かる。

 先生と面接練習をした。

 

6月

豊橋技科大 GAC 機械工学課程

面接

面接官3人,20分くらい

質問
・技科大に来たのは初めてか。どうして技科大やGACのことを知った?
・志望動機
・(志望動機で海外に行ったことを話したので)海外に行ったときには何をした?
・どうして大学に進学したいのか。
・技科大ではアメリカの数学の教科書を使っているがそれについてはどう思うか。
★(英語で)高専で行っている研究について簡単に説明して。
高専で行っている研究と同じ分野の研究が技科大にあるが,技科大では(志望動機でやりたい研究について話した)別の分野の研究をしたいということ?
高専での課外活動は何をしていたか。技科大で入りたいサークルはあるか。
★(英語で)技術を使ってどのように社会に貢献したいか。
・興味のある教科
・将来はどのような仕事をしたいか。具体的にはどのようなものを作りたいか。

 

 他の機械の受験生も同じだったらしいが,面接の雰囲気は良くない。反応が微妙だったり,嫌な感じに笑われたりする。たぶん落とすために厳しくしているのではなく,合格させる人を見極めるためにそうしていると思う。そういう状況に動じず,自分の考えを堂々と述べることが大事。

 私は志望動機でGACの国際的なところばかりを上げたが,面接官の人たちはなぜ技科大で機械工学を勉強・研究したいのかというのを重視している感じだった。
 小論文と志望理由書を英語で書いたことは言及されなかった。英語で書いて評価が上がったかは不明。内容重視だと思う。

 大学は普通に授業の日らしく,面接会場以外はがやがやしていてそんなに緊張しなかった。

 面接の手応えが微妙だったので心配だったが,合格していた。

 

 

徳島大学理工学部 機械科学コース

 GACは合格したが,学力試験の練習も兼ねて受験した。道中で鳴門の渦潮が見られて感動した。

 英語・数学は簡単で時間がかなり余った。

 専門科目は過去問より難しくて焦った。特に機械工作法はカバーしてない範囲も出たので,良くて6割くらいしかできなかった。過去問以外の範囲もある程度勉強しておく必要がある。

 何とか合格したが,機械コースは8人中1人しか合格しなかった。たぶん枠は決まってなくて,ボーダーを超えないといけないと思う。滑り止めでもちゃんと準備する必要がある。

 一方,電気・情報系のコースは合格率が高かった。学科によって合格基準は異なっていると思う。

 

7月

 ラストスパートといえどもまだ手を付けていない範囲もあったので,せっせと勉強していた。すぐに受験当日を迎えた。

大阪大学基礎工学部 システム科学科 機械科学コース

 英語は自信があったというか時間がなかったので,過去問2年分くらいしかやってなかったので不安だった。が,なんとか対応できる難しさだった。英作文が出たのは予想外だったが,その他は想定内だった。もしかして受かっちゃうんじゃないかと思い始めた。出来は8.5割。

 しかし,その思いも数学で打ち砕かれた。まず,偏微分の問題を落としてしまった。全然理解できなかった。線形代数はとても簡単だったので,ミスしないように慎重に解いた。確率は難しくはなかったが,勉強不足のせいもあって,解答に自信が持てなかった。確率があっていたら7割の出来で,あっていなかったら5割くらいだったと思う。

 数学ができなかったので専門で挽回するつもりでかなり集中して受けた。時間は余裕があったが,できなかった問題を考えていたら見直しをする時間がなくなってしまった。見直しすればできていた問題もあったので,見直しも大事。材料力学:10割,機械力学:10割,流体:5割,熱力学:7割くらいの出来だった。流体は凡ミスで半分落とし,熱力は後半の問題が解けなかった。

 専門は8年分くらいの過去問をやって出題された範囲を中心に復習した。ただ,過去問と同じ問題はないので参考書もやれば安心だと思う。

 

 面接の質問は以下の通り。
・志望動機
・やりたい研究はどのようなものか
・併願校(合否には関係ないと言われた)
・試験の出来
高専で履修してない問題はあったか
・2年のとき留学した経緯
・大学に入った後の進路
高専での研究

 面接の雰囲気はよかった。過去の受験者のブログによると試験の出来によって雰囲気が変わるらしい。筆記試験でできなかった問題について聞かれることもあるので,筆記試験が終わったら,できなかった問題の解き方を考えて準備しておいた方が良い。また,面接の最後に受験票を返されるときに「大事なものだから無くさないように」と言われると合格らしい(※)。実際に私も言われて,まさか合格なのかと鳥肌が立った。合格発表までその余韻に浸りながら,緊張しながら時間を過ごした。

(※追記:毎年恒例の「大事なものだから…」と言ってくれていた先生は2019年度で引退されたので、今後はそのような言葉はかけられることはなくなってしまったと思う...)

 

 そして,合格した。この勉強量の少なさで合格にたどり着けたことが信じられなかった。

 学部全体で60人中25人,機械コースは12人中5人合格だった。

 

 

まとめ

 自分が思う合格できた要因はこんな感じ。

  • ダメ元でも第一志望に受験した
  • 滑り止めの大学でもいいと思っていたので気負い過ぎなかった
  • 滑り止めを含めて受験科目を絞った
  • 高専で真面目に勉強してきたので,少ない勉強時間で試験対策ができた

 落ちることよりも受験しなかったことの方が後悔すると思って,大阪大学を受験した。ダメ元で第一志望を受験する場合は,滑り止めの選択も大事だと思う。滑り止めに入ることになっても,目的を持って大学生活を送れれば全然いいと思う。自分にとってそれは豊橋のGACだと思っていたので,ダメ元でも大阪大学を受験する後押しとなった。

 高専での積み重ねも大事。授業で理解ができていれば,編入勉強の時に復習するときに楽になる。

 自分は勉強が間に合わなかったので,手を付けられなかった範囲もあった。その範囲が試験に出なかったり,ちょうど勉強した範囲が出ることもあった。そうした運もついていた。運をつけるための気休めとして,ゴミ拾いとか掃除とかしてた(笑)

  私の勉強量では運頼みになってしまうので,色んな人のブログを参考にすると良いと思います。

 

最後に

 一生に一度のチャンスだと思って,諦めずに挑戦したからこそ合格できたと思います。