論文の検索、翻訳、文献管理、論文作成に役立つwebサイト
学部の卒業研究や大学院では、論文紹介のプレゼンや自らの論文作成をすると思います。
とはいえ、急にやれと言われても大変ですよね...
しかし、世の中には様々な便利なツールがあり、それらを使いこなすことで、効率的な作業ができます!
今回、(主に理工系向けの)論文の検索、翻訳、文献管理、論文作成に役立つ、基本的に無料で使えるwebサイトをまとめました。
アカウント登録時のメールアドレス
紹介するいくつかのツールはアカウント登録が必要です。
教育機関の関係者の無料特典があることもあるので、大学のメールアドレスで登録しましょう。
論文検索
Google Scholar
Googleが提供する論文専用の検索サービスです。
例えば、普通のGoogle検索からだと、論文とは関係ない検索結果も表示されてしまいますが、Google Scholarなら論文のみを表示してくれます。
検索結果の論文の引用数や引用先も簡単にアクセスできます。
自分の研究分野の最新の動向を知りたいときは、1つ有名な論文を検索して、その論文を引用している最近の論文を探せば、その研究がどのように発展しているか確認できます。
また、研究者がユーザー登録していれば、その研究者の論文を一覧できるので、研究室選びなどにも参考になると思います。
翻訳
研究の世界では、英語の論文を出版することで、成果をきちんと全世界に発表したことになるため、最先端の研究の論文は英語です。
論文に慣れるためにも、英文のまま読む訓練をしていくことも大事ですが、初めはなかなか大変だと思います。
そんなときに、次のような翻訳ツールを使ってみるのもありです。(翻訳が必ず正しいとは限らないので、慎重に使いましょう。)
DeepL
よく使われている翻訳ツールです。
pdfなどのファイルごと翻訳できる機能もあります。
Shaper
pdfからコピペすると、変なところで改行が入り、その結果、翻訳もうまくいかないことがあります。
そんなときに、Shaperを通すと、改行を取り除いてくれます。
DeepLとの連携もされているので、Shaperを通した文章をワンクリックでDeepLで翻訳させることもできます。
文献管理
Mendeley
参考文献や読みたい論文をMendeleyで管理することで、論文作成時の参考文献の整理などが簡単になります。
Mendeley上にpdfファイルもアップロードできるので、アップロードしておけば、家など論文へのアクセスができない場所でも論文を読めるようになり便利です。
LaTeXで論文を作成する場合は、Mendeleyからbibファイル用の情報をワンクリックで生成できるので便利です。
Google ChromeのMendeley Web Importerの拡張機能を導入すると、Mendeleyへの論文の取り込みが簡単にできます。(取り込み情報が間違っていることもあるので、その都度、登録された情報が正しいか確認することをおすすめします。)
論文の作成
LaTeXでの原稿作成
論文作成には、様々な点でLaTeXが便利です。
- 章節、図、表、参考文献の番号の自動割り振りやリンクの埋め込みなど
- 数式の編集しやすさ、きれいさ
など、他にも様々な利点があります。
多くの投稿論文の雑誌では、LaTeXのテンプレートが用意されています。
自分のパソコンにLaTeXの環境構築をすることはなかなか難しいと思いますが、環境構築がいらずに、オンライン上で簡単にLaTeXが使えるツールがあります。
Overleaf
オンライン上でLaTeXが編集できるツールです。
共著者と共有することで、共著者に編集してもらうこともできます。
英文校正
学位論文や国内学会の原稿でも、アブストラクトなどは英語で指定されていることがあると思います。
文法などを気にしすぎると、なかなか書き進められませんよね。
そこで、次のような、スペルや文法の校正、用語の選択に役立つツールを使いながら作業することで、自信を持って英文を作成できると思います。
Grammarly
スペルや文法のミスを指摘してくれるツールです。
Google ChromeのGrammarlyの拡張機能を入れると、他のサイトでも使うことができます。
無料プランでも、基本的なミスの確認には使えます。
有料プランでは、より分かりやすい文章への変更の提案などもしてくれます。
投稿論文の作成などで有料プランを使うときは、研究費が使えるので、研究費から支出してもらうように教員にお願いしてみるといいと思います。
Hyper Collocation
過去に(arXivに)投稿された論文の中で、検索したワードがどれだけ使われているかを調べてくれるツールです。
例えば、似ている用語が複数あるときに、学術的にどの用語が一般的に用いられているかが分かります。
投稿論文の学術雑誌の選定
論文の投稿先の学術雑誌の候補を比較するときに役立つツールです。
ただし、これらのツールが全てではないので、参考文献がどの雑誌であるか、雑誌でどのような論文が出版されているか、編集委員は誰であるかなど、よく確認する必要があります。
Scopus
https://www.scopus.com/sources.uri
エルゼビアが運営する学術雑誌記事の書誌データベースです。
Scopusに採録されていて、雑誌の評価指標(CiteScore)もある程度あれば、悪質な雑誌(ハゲタカジャーナル)である可能性は低いです。
ただし、評価指標が過大評価、過小評価されていることもあったり、新しく創刊された雑誌が採録されていなかったりすることもあります。
SciRev
雑誌ごとに過去に投稿した人が口コミを書けるサイトで、査読者数や査読プロセスにかかった時間などを確認できます。
投稿から出版までのプロセスやスケジュールを確認でき、自分の研究や予定に合う雑誌かどうかをおおよそ確認できると思います。
しかし、出版論文数がとても多い雑誌以外は口コミが少ない印象なので、雑誌によっては参考にならないかもしれません。
自分が投稿した論文について口コミを書いておくと、後世の人が喜ぶかもしれません。
25歳で博士を取れる!? 阪大基礎工 機械科学コースのスプリンタープログラム
久しぶりの気まぐれの更新です。
大阪大学基礎工学部(大学院基礎工学研究科)の機械科学コース(機能創成専攻)にはSprinter Program(スプリンタープログラム)という博士前期(修士)課程+博士後期(博士)課程の5年を最短3年に短縮して、博士号を早期に取得できる制度があります!
実際に私もその制度を利用している最中なので、制度の概要と自分の感想を書いてみました。
スプリンタープログラムとは
日本で博士号を取ろうと思ったら、大学院で修士課程(2年)と博士課程(3年)で5年過ごすのが一般的です。つまり、22歳で学部を卒業した場合、順調に進んだとして博士号を取得する年齢は27歳になります。
基礎工学研究科機能創成専攻では、大学院の5年を最短3年に短縮して早期に博士号を取得できるスプリンタープログラムという制度があります。つまり、最短の3年で修了できた場合、25歳で博士号を取れることになります。
モデルプランとしては、修士を1年、博士を2年に短縮するという感じです。後述にありますが、どれくらい短縮するかしないかは割と柔軟で、自分と指導教員と相談して決められます。
短縮が保障されている訳ではありません。特に博士課程の修了には研究の実績(学術雑誌への投稿論文を数本)が必要なことには変わりありません。例えば、博士課程を2年過ごしたとしても、実績がなにもなければ、博士の学位論文の審査が不合格となります。
概念
ややこしいですが、スプリンタープログラムという明確なコースがある訳ではないです。
修了要件は普通と同じなので、早めに単位を取って修了する権利みたいなものです。
例えば、修士課程の座学の授業の単位は1年で取りきることは難しくありませんが、研究室内で行う科目であるゼミナールや研究は、通常は各学期に1つずつ履修することになっていて、1学期に2個以上取ることは特別な理由がない限りできません。
それをスプリンタープログラムなら許可してもらえるという感じです。
出願
大学院に入ることが前提の制度なので、大学院試験に合格後にスプリンタープログラムに出願できるようになります。
だいたい学部4年の後期に出願しますが、修士1年に入ってから出願した人もいるという話も聞いたことがあります。明確な締め切りはないです。
手順としては、指導教員を通じて出願します。
まずは教員に相談して出願の許可をもらい、教員から出願書類をもらいます。研究内容や出願理由を書いて、教員に提出します。
(おそらく教授会で)書類審査が行われ、合格したら合格通知書が教員から渡されます。この審査で落ちたという話は聞いたことがないです。
出願資格は博士課程への進学意思があるかだけと思われます。指導教員に認められるくらい天才でなくても、研究への熱意が伝わっていれば、指導教員は許可してくれると思います。
私も出願前はものすごくハードルが高いものと感じていましたが、今思えばそうでもないと感じます。
修士号も途中で取れる
スプリンタープログラムの場合、修士号を途中で確実に取れます。というか取らないと博士課程に進めないので。
どれくらい短縮したいかに依りますが、一般的には、修士課程を1年に短縮するので、1年で修士の単位を取りきる必要があります。
研究室内で行うゼミナールや研究という科目は、通常は各学期に1回ずつ発表したりレポートを提出したりしますが、スプリンタープログラムの場合は各学期に2回ずつすることになります。もちろん同じものをコピペで2個提出するのはダメなので、指導教員と相談して、課題を2つに分割してレポートを作成するなどします。
大阪大学の飛び級制度との違い
ところで、大阪大学には学部3年次に大学院入試を受けて学部4年を経ずに大学院に入る、飛び級制度があります(私はその利用者を見たことがないですが)。その場合は学部を退学扱いになるため、学士の学位を取得できません。
なので、「機械科学コース」かつ「博士進学を考えている」かつ「学位の早期取得」をしたい場合は、スプリンタープログラムの方が、途中で学位もきちんととりながら短縮もできるのでおすすめです。
ちなみに、理論上は、学部から大学院の飛び級とスプリンタープログラムを両取りしたら、最短で24歳で博士号を取得できる訳です(よっぽどせっかちな天才でないと、やろうとも思わないわけですが)。
博士課程の入学試験も普通に受ける
スプリンタープログラムだからといって、博士課程入学まで確約はされていないので、普通に博士課程の入学試験も受けます。
4月入学の場合、試験は1月あたりで、ちょうど修論で忙しい時期となります。
修論の概要などの書類提出と、教授陣の前でこれまでの研究や今後の研究計画についてプレゼンを行います。よっぽどまずいことをしなければ落ちないので、しっかり準備をして夢を語ればOKです。
短縮しなくてもOK
スプリンタープログラムは短縮する権利のようなものなので、短縮しなくても問題ありません。
残念なことに日本では博士課程の学生の給与が保障されていないため、早く博士を取って早く就職できるという経済的な理由が、スプリンタープログラムを選ぶ主な理由かなと思います。
研究奨励金や奨学金が取れなかった時の保険としてスプリンタープログラムにとりあえず入っておくのもありで、実際に生活費が確保できたら短縮せずに正規の年数で修了を目指すという人も聞いたことがあります。
一方で、短縮したくても短縮できない可能性もあります。前述のように、博士課程の修了には研究の実績(学術雑誌への投稿論文を数本)が必要なので、それを満たせなければ早期修了はできません。
体験談(現在進行中)
出願時期
私の場合は、学部4年の10月くらいに博士進学とスプリンタープログラムに興味があることを指導教員に相談し、出願書類をもらいました。
それからしばらく考えて、12月くらいに出願書類を提出し、数週間後に合格通知書をもらった気がします。
出願した理由
一つは、経済的な理由です。近年は博士課程の学生への支援が増えてきましたが、残念ながら、絶対に採用されるという保障はないので、博士号も取りたいけど早く就職したいという思いがありました。
もう一つは、変な経歴がほしいというただの興味です。今までも、高専、留学、休学、留年、編入、といった道を辿ってきたため、ここまで来たら、珍しい経歴コレクターを極めるのも面白いかなと思いました!
学部学生の大学院科目履修制度
基礎工学部には「学部学生の大学院科目履修制度」があり、これを使うと学部のうちに修士課程で必要な座学の単位を半分くらいとることができます。
これを使ったおかげで、修士課程に入ってから研究により力を注ぐことができて、短縮が少し楽になりました。
履修制度については、編入体験 B3を通して思ったこと - tanukinancのブログ の記事で少し触れています。
現実的にどのくらい短縮できるか
修士課程を1年に短縮するのは、人より忙しくなるのは確かですが、頑張れば割とできると思います。
修士論文は、学術雑誌への投稿論文とまではいかなくても、学会発表できるくらいの結果があれば修了できるので、学部4年からある程度頑張っていれば大丈夫だと思います。
一方で、博士課程を短縮するのは容易でなさそうです。
前述のように、博士課程の修了には研究の実績(学術雑誌への投稿論文を数本)が必要なので、短い期間でそれを満たすのは難しいです。
なので、スプリンタープログラムでも修士課程だけ短縮して博士課程は3年とする人が実際には多いように感じます。
修士課程と博士課程を合わせて3年で修了した実例もあるそうですが、かなり珍しいそうで、ミラクル3年とも呼ばれているとか。
メリット
やはり経済的なメリットが大きいように感じます。
「学費1年分を浮かせる」+「早く就職して稼げる」ことを考えると、1年の短縮だけでも、奨学金数年分くらいの経済的な価値があるのではないかと思います。
あとは、民間企業に新卒で就職する場合には、優秀さのアピールポイントになったり、早く入ってくれるという意味で歓迎されたりしそうな気がします。
デメリット
アカデミックの面ではデメリットとなることもあります。
博士課程に進む場合、倍率が少し高い学振という研究奨励金をもらえる制度に申請することになると思います。修士課程を短縮して学振を申請する場合、研究経験が1年長い人たちと競争することになるため、研究実績の面で多少不利となるかもしれません。ただし、実績がすべてではないので、諦めないで申請することが大切だと思います。
博士号取得後にアカデミックに残る場合も、大学や研究所の公募に応募する訳ですが、研究実績が多い方が採用されやすいと思われます。
また、大学院生特有の自由な研究にかける時間が短くなることもデメリットです。企業や大学に就職した後には、契約があるため、所属先の意向に沿う必要があるため、自分のやりたい研究ができるとは限らないと思います。一方で、大学院では、指導教員がいますが、多少は自分のやりたい方向に修正することや新しいテーマを提案することは十分に可能です。早期修了はそんな貴重な時間を減らしてしまう可能性があります。
自分の感想
おすすめ
紹介したように、短縮してもしなくてもいい、短縮が確約されている訳ではないため、スプリンタープログラムはあってないようなものですが、プログラムに入ることで早くから早期修了を見据えて研究を計画できたのが個人的にはよかったと思います。
聞いた感じだと、スプリンタープログラムに入る人は学年に数人(そもそも博士課程に進学する人自体が少ないのでその中ではまあまあの割合)いてそんなに珍しくはないので、とりあえずプログラムに入ること自体のハードルはそんなに高くないです。
ある意味、日本独特の研究室のシステムだからこそできる早期修了なのかなと思います。
ある国に留学して研究室を見たのですが、そこでは修士論文の研究が1学期だけで行われていました。つまり、修士2年の後期から研究を始める感じです。
さらに大半の博士課程の学生は修士課程とは別の研究室から来たりしているため、実質は博士課程に入ってから本格的な研究が始まるという感じで、もちろん3年で修了できる訳がなく、4~5年かけて博士号を取るのが普通でした。それでも、博士課程が仕事として認められていて、それなりの給与が保障されていました。
一方、日本では、学部4年から研究を始め、修士もがっつり研究します。修士課程でこんなに研究レベルが高い国はあまりないのではないかと思います(プラス1~2年続ければ投稿論文も出せて博士が取れるのに、多くが就職してしまうのはもったいない...)。
それを考えると、そこそこ頑張っている日本の大学院生なら十分早期修了できる可能性はあるし、投稿論文数本分の研究実績を出せるなら、学位を早期取得できるというのは合理的な気がします。
日本の研究室のシステムの是非はともかく、今はそれに乗っかってどんどん早期修了するのもありなのではと思います。
話は変わりますが、システム科学科では学部2年次に機械・知能・生物のコース選びをするのですが、毎年優秀な学生が知能に流出しています... 知能がなぜか圧倒的に人気な現状はどうにかならないものかと思いますが、それはさておき、機械ではこんな柔軟なこともできて、知能に自信を持って進むくらい優秀なら、スプリンタープログラムの制度を十分に活用できる素質はあるよ!ということが高校生や学部1年生の誰かに伝われば幸いです。
本来あるべき博士課程は...
個人的には、スプリンタープログラムに後押しされて博士課程に進み、今は博士課程に進んでよかったと感じているため、この制度に感謝しています。
一方で、全ての専攻や大学でこの制度がある訳ではなく、自分もこれがなければ博士進学していたか分かりません。
個人的には、この制度が広がってほしいというよりも、根本的に、経済的・将来的な不安を感じずにもっと気軽に就活や博士進学ができ、博士課程に4~5年かけてでもじっくり研究ができるような世の中になればいいなと思います。
編入体験 B3を通して思ったこと
B3(学部3年)を無事に終えることができました。ということで、この続きを書いていこうと思います。
後期の授業
後期の授業はこんな感じでした。
前期と比べると後期は楽だった。月水は午前または午後だけだし、総合演習は4週に1回は予備日で休みになるので、余裕はあった。
2年生の科目は、数学C(フーリエ解析)、設計工学、解析力学だった。解析力学は必修ではないが履修した。他は3年生の科目。総合演習は、自分たちでプログラムを作って結果を整理するなど、より自主性が求められる工学実験みたいな感じだった。
高専で習った科目は、数学C、設計工学だったので、前期よりは新しく習った授業が多かった。計測工学は高専でも習ったが、計測機器のことよりも、統計とか相関とかについて重点的にやっていたので、内容が全然違った。
夏休みの間に大学の短期留学プログラムに参加して、専門科目として換算できる単位を2単位(1科目分)もらえたので、それを含めると卒業に必要な単位数より3単位(1科目と半分)多く取ったことになる。
授業・レポートの忙しさ
"大学は授業スピードが高専の3倍以上"とか聞いたことがあって、めっちゃ大変なんじゃないかと思っていたけど、実際はそんなに大変という訳ではなかった。
確かに高専で通年でやる科目を半期でやっていたりするので、スピードは速いと思うが、その分内容を絞っているので、ノートを取れない程の速さではないし、授業についていけないこともない。そして授業でやっていない内容はテストに出ないので、テストが大変となることもない。
高専と大学の授業違いで言えば、高専は"公式を使って計算すること"をやっていたが、大学は"どのように公式を導出するか"など理論の理解に重点を置いている感じがした。研究をしていくためには、やはり後者の視点で考えていくことが重要だと思うので、高専で習った科目を再び大学で履修したが新しく学ぶことはあった。
レポートはそんなに多くなかった。高専4年の工学実験があった時は通年で24テーマあって毎週10ページ以上のレポートを書いていて大変だった記憶がある。それに比べて、B3前期の工学実験は6テーマしかなく、1テーマを2週かけてやる感じだったので、毎週レポートに追われることはなかった。ただし、1つ1つのレポートは高専のときより難しく大変だった。B3後期の総合演習も工学実験に似ていたが、3テーマあって1テーマを3週かけてやっていた。
座学の授業のレポートはそんなにでなかった。出たとしても例題を解くみたいな易しいレポートが多かった。出席取らないレポートなしのテスト1発勝負の科目(特に必修でない科目)も結構あった。
テスト
"阪大は単位が地中に埋まってる(大阪湾に沈んでいる)"なんて言われているから、定期テストが編入試験くらい難しいんじゃないかなんて思っていたが、そんなことはなかった。そんなに難しかったらみんな落単してしまう笑 一般教養科目は知らないけど、専門科目については普通に授業受けてれば単位は取れる。
テストは過去問で対策すればだいたいはOK。高専みたいに100点の人続出みたいな簡単なテストはないけど、めちゃくちゃ難しい訳ではない。ただし、持ち込み可の科目はあんまりないので、早めにテスト勉強始めた方が良い。
成績
大阪大学はGPAで成績がつけられるが、S 4.0(90点以上)、A 3.0(80点以上)、B 2.0(70点以上)、C 1.0(60点以上)、F 0.0(60点未満)という基準になっている。
よく分からないのが成績のつけ方で、高専のようにテスト〇割、レポート〇割...というようにシラバスに明記されていないし、口頭でも説明されない。また、平均点が30点くらいの難しいテストでも、だいたいの人が合格していたり、90点取れてなくてもSもらえたりすることもあるので、テストの点がそのまま成績にならず、相対評価で成績をつけている科目もあると思う。
大学では基本的にテストは返却されない。なので、成績のつけ方は本当にブラックボックス。
編入生が良い成績取れる理由
"編入生は優秀だから、心配しなくて大丈夫"みたいなことを編入した先輩とかによく聞いたことがあった。編入前はその人たちがたまたま天才だったからとか思っていたけど、編入後はなんで良い成績が取れるのかが分かった気がする。
1つ目の理由は、内部生の勉強に対するモチベーションがあまり高くないことだと思う。教室も前の方の席は空いてるし、出席取らない授業の出席率は低い。サークルとかバイトを頑張っている人もいるし、大学に合格するのが目標だったから、大学では最低限の単位取れればいいやみたいな人も結構いる。自分のコースだと成績上位10%は大学院への推薦(院パスと呼ばれている)をもらえるが、それを目指す人はあんまりいない印象がある。それに比べ編入生は、きっとやりたい研究があって入ってくるから、勉強するモチベーションがある。(そして、自分みたいにサークルやってないと勉強以外やることがない泣)
2つ目の理由は、基礎科目の理解だと思う。高専で通年でやる科目も大学では半期科目となる。例えば機械の4力も大学では半期でやっているので、詰め込みみたいになってしまうので理解が追い付かないのかもしれない。(※さすがに半期では無理があるということで、2020年度から4力は全てABに分かれることになるらしい。Bは必修ではないので編入生は受けなくていいかも。)高専では時間をかけてやるし、さらに編入試験でも勉強するので、理解が深まっていると思う。基礎科目の理解は他の科目にも利いてくるので、授業についていきやすくなると思う。
3つ目は自分のいるコース限定の話だが、システム科学科は知能・機械・生物の3コースに2年生になってから分かれるらしい。優秀な人は知能に行くらしいので、機械科学コースで成績上位に入るのは比較的容易なのかなと思う。機械の編入生の先輩方も大半は院パスを取れたらしい。
学部学生の大学院科目履修制度
最後におまけの情報。2020年度から始まる制度で、学部生(B4)のうちから大学院科目を履修することができるようになるらしい。もちろん、B4の段階では大学院の入学料や授業料は払う必要はない。ただし、次の条件がある。
- 1~3年次の必修科目を全て修得し、特別研究(卒研)の履修条件の単位数を修得していること。
- 履修希望者は3年次終了時の成績をもとに選考が行われる。どれくらいの成績の人までが履修できるかは明記されていない。
- 履修科目の制限は、10単位以下。また、学部・大学院共通科目と必修科目は履修できない。
10単位というのは5科目分で、4年次に卒研しかない人は、前後期それぞれ2、3科目取るのは時間的に余裕だと思う。大学院科目を履修することで、卒研に活かせることがメリットだと思う。
機能創成専攻(大学院の機械科学コース)の修了条件は30単位で、そのうち研究関係(必修科目)の単位は12単位なので、実質授業として取る必要があるのは18単位。学部のうちに最大10単位を修得すれば、大学院に入った後あまり授業を取る必要がない。
ということで、これに関しては未知のところも多いけど、3年で良い成績を取るためのモチベーションにもなると思う。
まとめ
編入当初は単位認定少ないし、単位認定試験あるし、自分のコースは編入生に不利なんじゃないかなんて悲観していたが、一年を通してみてそんなにきつくは感じなかった。自分のコースは院パスも取りやすいので、多少不利なこともなんとか耐えられると思う。(もちろん単位認定は増やしてほしいが笑)
特に前期は高専で履修した授業と結構被っていたので、専攻科から大学院目指した方が有意義だったんじゃないかと思ったりもした。しかし、大学に入って院パスを取れれば、院試の手間が省けるし、学部・修士で同じ研究ができると考えれば、全然悲観することないと今では思う。
勉強が大変すぎるという訳でもないので、サークルやバイトも十分できる。自分は英会話サークルに1回だけで終わったが、サークルに入れば、阪大にはせっかく色んな学部があるので色んな人と交流できると思う。他人事だけど笑
自分は編入後の大変さとかをあまり考えずに志望大学を決めたので、一番はやりたい研究とか直感で決めたらいいと思う。編入してみないと分からないことも結構あるし、人それぞれ感じ方も違うので、これが全てと思わずに読んでもらえればと思います。
編入後の最初の1か月
高専を卒業し、大阪大学基礎工学部システム科学科機械科学コースに編入学した。最初の1か月の様子を書いてみます。
編入会新歓
入学式後に、大阪大学編入会の新入生歓迎会に参加した。同じコースの先輩と知り合えて、いろんなことを教えてもらった。地元が遠いので知り合いゼロからのスタートだったので、こういう集まりがあって本当によかった。
編入生1人だった…
入学式から2日後くらいに、機械科学コースの先生に個別に呼び出され、単位認定について説明を受けた。このとき呼び出されたのは私だけ。。。つまり、機械科学コースの編入生1人笑笑泣泣(TT)まじかああああああああああ。。。5人受かってたよね。。。1つ上の編入生は6人もいるのに。誰と友達になればいいの???
まさかという感じでかなり落ち込んだ。それにしても自分以外の合格者が(たぶん)滑り止めで基礎工を受けていたとは驚き。。。知っているかぎりだと2人は東工大と阪大工学部に行ったらしい。すごすぎる!
単位認定試験
さらに追い打ちをかけるように、単位認定試験が授業開始日から行われることを伝えられた。1日1科目で3日間。科目は熱力、流体、材力。機力は認定試験なしで認定された。(去年は人によっては機力もあって、なかった人は認定されなかったらしい。機力がどういう基準で決めているのかは謎。)認定されるのはそれぞれの科目とその演習科目も認定されるので、1科目につき3単位認定される。だから、けっこう重要。。。
噂には聞いていたけど、入ってすぐにあるなんて知らなかった。編入試験後から一切勉強してなかったから無理だと思った。落としても留年はしないけど、ただでさえ授業が多いのにもっと大変になる。試験についての説明が木曜にあって、試験は月曜からだったから、金土日でやれることやろうと思って、必死に復習した。
試験時間は90分だけど、熱力と流体は60分もしないうちに解き終わった。材力は計算に時間がかかって時間ぎりぎりくらいまでやった。各科目大問3、4問で、基礎工の期末試験と同じくらいの難易度らしい。編入試験よりは簡単。
流体は複素ポテンシャルは高専で習ってなくて分からなかったので、その大問は捨てた。編入試験のときに複素ポテンシャルの勉強してれば大丈夫だろうけど、自分はしてなかった。
そんな感じでどの科目も受かっているか不安だったけど、全部合格した。たぶん6割できてれば合格だと思う。
編入生1人の現実と単位認定試験で絶望的な最初の1週間だった。なんとか合格できてよかった。他にも編入生いたらもっと効率的に試験の対策できたんだろうなと思う。
入学前までにシラバスとか見て、復習したり、習ってない範囲を自習したりしとくことをおすすめします。「koan シラバス」と検索すれば、阪大のシラバスの検索ページに行けます。
単位認定結果・履修状況
全部で19単位が認定された。認定された単位は以下の通り。
・システム科学序説(概論)
・情報処理演習
・数値計算法演習
・コンピュータ基礎演習(プログラミング)
・機械力学+演習
・材料力学+演習
・流体工学+演習
・熱工学A(熱力学)+演習
・機械構造計画演習(製図)
機械構造計画演習だけ3年次の科目。他は1、2年の科目。4力を除いて認定された科目は、3年後期の総合演習を受けるために必要な科目。だから本当に最低限の科目しか認定されていないことが分かる。機械コースは毎年こんな感じ。入学前にシラバス提出するけど、高専で取得した科目はほとんど考慮されてないと思う。
数理コースは機械から転科した人でも上限の30単位もらえたらしい。しかも認定試験なし。合成化学コースは30単位近くもらえたらしい。うらやましい泣
前期の履修科目はこんな感じ。(機械科学コース)(防災特論は春学期(4~5月)の科目。)
高専5年次と授業数のギャップがありすぎて最初は大変だったが、だんだん慣れてきた。基礎工は入ってからが大変なんじゃないかと不安だったが、思ってたよりは大丈夫そう。
英語とかの一般教養科目は全部認定されるから受ける必要がない。内部生も3年からは専門科目だけ。
いくつか認定されなかった2年次の科目もある。数学A(微分方程式)、コンピュータ基礎(論理回路)、数学B(複素関数論)。せめて数学は認定してほしい泣 まあやるしかない。
4年次の科目も履修している。宇宙工学、機械加工学、生産工学。この4年次の科目はテストがなく、比較的簡単なレポートだけなので単位が取りやすい。
3年のうちにこれくらい授業を受けて、順当に単位が取れれば、4年次に授業を取る必要がなく、卒研だけになる。
見て分かる通り、高専で勉強した科目がけっこうある。機械材料学A(材料工学)、数学A(微分方程式)、コンピュータ基礎(論理回路)、数学B(複素関数論)、制御工学、熱工学B(伝熱工学)、エレクトロニクス(電気工学)、機械工学実験。なので、半分くらいの授業は復習みたいな感じ。もちろん大学の方が深くまでやったりするけど。
千葉大とかだったら全部認定されたりしてるのかな。
編入生の成績
ここまでみると特に機械コースの編入生は不利なのかなと感じるかもしれないが、編入生の先輩たちは成績がとても良い。コースの専門科目の成績上位10%くらいの人は院試を推薦で受けることができるが、1つ上の編入生の半数以上は推薦をもらえた。ちなみに認定科目は成績に含まれないので、編入生の成績は入学後に履修した科目の成績で決まる。
私も頑張らないと。。。頑張ろう。
編入生が良い成績を取れるのは、もちろん先輩が真面目で優秀だったのもあると思う。授業の多くが高専の復習だったりするので理解に時間を要しないことや、多くの内部生は中だるみの期間なのに対して編入生は入学したばかりで勉強に対するエネルギーが高いことも、好成績の理由かなと思う。
つまり授業(テストの科目数)は多くなるけど、全然やってけないことはないよということで、先輩の活躍に自分も励まされました。
まとめ
機械科学コースの場合は基礎工学部と工学部の違いは全然ないと感じた。
研究を目的に編入するなら、単位認定試験もあるし授業も多いので3年次は辛抱が必要。
授業は多いけど半分くらいは復習なので、勉強はそんなに大変ではない。頑張ればサークルやバイトもできる。
編入生1人になることもある。ドンマイ、頑張ろう!
私みたいに認定試験で絶望しないように、入学前に4力の復習をしておこう。
B3を通した感想は↓の記事です。
編入試験体験記
書こうと思って先延ばしにしていたら1年近く経ってしまった(笑)
これは前回の記事です。 混合学級で1~2位,学科で1位。 1年後期に英検準2級に面接で落ちた...何かを変えなきゃと留学を決意する。 混合学級で1~2位,学科で1~3位 後期に英検2級に合格。面接対策をしっかりしてぎりぎり受かった。 1年間休学してAFS交換留学に参加した。現地の高校に通っていたが,現地の成績は関係ないのでかなりのんびりと過ごしていた。 学科1位 元々は就職するつもりだったけど,先生や先輩に進学を勧められ,進学を意識するようになった。 留学後はあまりモチベーションが上がらなくなった。成績はなんとか維持してたけど,前より勉強量が少なくなった。部活や同好会はさぼるようになった。 9月にTOEICを受けて710点だった。思ったより高かった。 公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4 学科1~2位 学校で受けたTOEIC IPは765点だった。 大阪大学工学部の学力か京都工芸繊維大学の推薦にしようかなーと考えていた。なぜか関西地方に惹かれていた。モチベーションが低かったから,推薦受けるんだろうなぁと思っていた。それでも,高専で学んだことをしっかり身に着けてから大学に入った方がいいと考えていたので,少しは勉強やらなければと思っていた。 一応,数学は11月くらいからのんびり始めた。 定番のこれ。初めはB,Cは結構難しかったからAだけを1周した。 実験のレポートやらでなかなか編入勉強は捗らなかった。Aだけでも1周し終わったのが3月だった。さすがに遅すぎる(笑)。 TOEICを提出する大学を受ける可能性もあったので,1月に編入前最後のつもりでTOEICを受け865点。前回より結構上がったのでびっくりした。 1駅1題 TOEIC L&R TEST 読解特急 (TOEIC TEST 特急シリーズ) こんな本を何冊かやった。あとは公式問題集で集中力と体力を鍛えた。 ゲーム・オブ・スローンズ 第一~第七章 ブルーレイ・ボックス (初回限定生産/35枚組+ボーナス・ディスク5枚付) [Blu-ray] 2月に大阪大学基礎工学部に機械系の学科があることを知った。 大阪大学基礎工学部にした理由 1. 応用研究より基礎研究に興味があった そんな感じで志望校を決めたが全然勉強してなかったので,自信はなかった。他人に聞かれても志望校を答えられずはぐらかしていた。 志望(4年3月時点) 1. 大阪大学基礎工学部 4月 5年になってからは嫌でも進路のことを聞かれるので,どうせ落ちるけどと思いつつ”大阪大学受けます”と答えざるを得なくなった。そうするうちに言ったんだから後戻りできないという気持ちが出て,推薦への迷いは消え,編入勉強に集中して取り組めるようになった。志望校を固めたら,口に出してみるといいかもしれない。 春休みに"大学編入のための数学問題集"のAがやっと1周終わった。さすがに遅すぎると思って,そこからB,Cも含めてもう1周した。2周目は4月後半に終わった。 4月からは並行して編入数学過去問特訓を始めた。難易度が高い問題が多くて1周しただけでも力はついた。何周もして完璧に理解できれば,試験での心配は無用だと思う。 4月後半に基礎工の数学の範囲が微積,線形代数,確率ということに気付いた。それまでは応用数学も範囲だと思っていたので救われた(笑) 滑り止めはまず豊橋技科大GACに決めた。GACはとても国際化が進んでいて,海外インターンなど魅力があった。もし編入することになっても充実した大学生活を送れるだろうと感じた。そして,試験は書類審査と面接だけ。 出願が4月後半でとても早い。特にGACを受ける人は小論文や志望理由書などを書く必要がある。私はアピールと英語練習を兼ねて,小論文と志望理由書を英語で書いた。 そして,他の滑り止めだが,京工繊と岐阜はちゃんとした志望理由もないし,できるだけ受験科目を減らしたかったので,受験しないことにした。 その代わりに,確約書提出が基礎工合格発表より後で,基礎工と受験科目がほぼ同じ徳島大学を受けることにした。 5月 なぜか分からないが高専に基礎工の過去問が10年分くらい揃っていた。 数学は超難問以外は参考書を使いながら過去問を解けるようになった。 基礎工の専門科目は4力。そろそろ専門もやらないとまずいと思い,教科書見たり先生に聞いたりして,過去問を解きながら復習した。 徳島の専門は材力と機械工作法。工作法は暗記することが多い。過去問に出ていた範囲を中心に復習した。 豊橋の書類選考は合格して6月の面接が決まった。書類選考はだいたい受かる。 先生と面接練習をした。 6月 面接 面接官3人,20分くらい 質問 他の機械の受験生も同じだったらしいが,面接の雰囲気は良くない。反応が微妙だったり,嫌な感じに笑われたりする。たぶん落とすために厳しくしているのではなく,合格させる人を見極めるためにそうしていると思う。そういう状況に動じず,自分の考えを堂々と述べることが大事。 私は志望動機でGACの国際的なところばかりを上げたが,面接官の人たちはなぜ技科大で機械工学を勉強・研究したいのかというのを重視している感じだった。 大学は普通に授業の日らしく,面接会場以外はがやがやしていてそんなに緊張しなかった。 面接の手応えが微妙だったので心配だったが,合格していた。 GACは合格したが,学力試験の練習も兼ねて受験した。道中で鳴門の渦潮が見られて感動した。 英語・数学は簡単で時間がかなり余った。 専門科目は過去問より難しくて焦った。特に機械工作法はカバーしてない範囲も出たので,良くて6割くらいしかできなかった。過去問以外の範囲もある程度勉強しておく必要がある。 何とか合格したが,機械コースは8人中1人しか合格しなかった。たぶん枠は決まってなくて,ボーダーを超えないといけないと思う。滑り止めでもちゃんと準備する必要がある。 一方,電気・情報系のコースは合格率が高かった。学科によって合格基準は異なっていると思う。 7月 ラストスパートといえどもまだ手を付けていない範囲もあったので,せっせと勉強していた。すぐに受験当日を迎えた。 英語は自信があったというか時間がなかったので,過去問2年分くらいしかやってなかったので不安だった。が,なんとか対応できる難しさだった。英作文が出たのは予想外だったが,その他は想定内だった。もしかして受かっちゃうんじゃないかと思い始めた。出来は8.5割。 しかし,その思いも数学で打ち砕かれた。まず,偏微分の問題を落としてしまった。全然理解できなかった。線形代数はとても簡単だったので,ミスしないように慎重に解いた。確率は難しくはなかったが,勉強不足のせいもあって,解答に自信が持てなかった。確率があっていたら7割の出来で,あっていなかったら5割くらいだったと思う。 数学ができなかったので専門で挽回するつもりでかなり集中して受けた。時間は余裕があったが,できなかった問題を考えていたら見直しをする時間がなくなってしまった。見直しすればできていた問題もあったので,見直しも大事。材料力学:10割,機械力学:10割,流体:5割,熱力学:7割くらいの出来だった。流体は凡ミスで半分落とし,熱力は後半の問題が解けなかった。 専門は8年分くらいの過去問をやって出題された範囲を中心に復習した。ただ,過去問と同じ問題はないので参考書もやれば安心だと思う。 面接の質問は以下の通り。 面接の雰囲気はよかった。過去の受験者のブログによると試験の出来によって雰囲気が変わるらしい。筆記試験でできなかった問題について聞かれることもあるので,筆記試験が終わったら,できなかった問題の解き方を考えて準備しておいた方が良い。また,面接の最後に受験票を返されるときに「大事なものだから無くさないように」と言われると合格らしい(※)。実際に私も言われて,まさか合格なのかと鳥肌が立った。合格発表までその余韻に浸りながら,緊張しながら時間を過ごした。 (※追記:毎年恒例の「大事なものだから…」と言ってくれていた先生は2019年度で引退されたので、今後はそのような言葉はかけられることはなくなってしまったと思う...) そして,合格した。この勉強量の少なさで合格にたどり着けたことが信じられなかった。 学部全体で60人中25人,機械コースは12人中5人合格だった。 自分が思う合格できた要因はこんな感じ。 落ちることよりも受験しなかったことの方が後悔すると思って,大阪大学を受験した。ダメ元で第一志望を受験する場合は,滑り止めの選択も大事だと思う。滑り止めに入ることになっても,目的を持って大学生活を送れれば全然いいと思う。自分にとってそれは豊橋のGACだと思っていたので,ダメ元でも大阪大学を受験する後押しとなった。 高専での積み重ねも大事。授業で理解ができていれば,編入勉強の時に復習するときに楽になる。 自分は勉強が間に合わなかったので,手を付けられなかった範囲もあった。その範囲が試験に出なかったり,ちょうど勉強した範囲が出ることもあった。そうした運もついていた。運をつけるための気休めとして,ゴミ拾いとか掃除とかしてた(笑) 私の勉強量では運頼みになってしまうので,色んな人のブログを参考にすると良いと思います。 最後に 一生に一度のチャンスだと思って,諦めずに挑戦したからこそ合格できたと思います。 1年
2年
マレーシア
ホームステイは田舎に配属だったので,マレー語を覚えた。3年
3年になる前の春休みに元同学年の友達に誘われてZENPENに参加した。まだ行きたい大学も分からなかったので,適当に聞いていた。今思うと難関大の先輩方ばかりで,すごい人たちだったんだなと思う。
図書館でTOEICの初心者用に問題構成を解説した参考書と公式問題集を借りて勉強した。特にリーディングは時間勝負なので公式問題集でどのくらいのペースでやるべきか確かめられる。
4年
リーディングが苦手だったので,長文対策の本を借りた。
リスニングは海外ドラマをたくさん観ていたら,満点近く取れた。"Game of Thrones"は見始めたらやめられなくなった。(グロくてエロいので注意!)
調べてみるとちょうど自分の希望にマッチしていたので,基礎工を目指すことにした。
2. 受験科目が少ない
3. 人生一度きり!今挑戦しなかったら後悔する
2. 京都工芸繊維大学(編入勉強うまくいってなかったら推薦)
3. 岐阜大学
4. 豊橋技科大GAC5年
Aだけでもできるだけ早く1周してみることが大事。基礎が身に付き,2周目からはよりスムーズになる。豊橋技科大 GAC 機械工学課程
・技科大に来たのは初めてか。どうして技科大やGACのことを知った?
・志望動機
・(志望動機で海外に行ったことを話したので)海外に行ったときには何をした?
・どうして大学に進学したいのか。
・技科大ではアメリカの数学の教科書を使っているがそれについてはどう思うか。
★(英語で)高専で行っている研究について簡単に説明して。
・高専で行っている研究と同じ分野の研究が技科大にあるが,技科大では(志望動機でやりたい研究について話した)別の分野の研究をしたいということ?
・高専での課外活動は何をしていたか。技科大で入りたいサークルはあるか。
★(英語で)技術を使ってどのように社会に貢献したいか。
・興味のある教科
・将来はどのような仕事をしたいか。具体的にはどのようなものを作りたいか。
小論文と志望理由書を英語で書いたことは言及されなかった。英語で書いて評価が上がったかは不明。内容重視だと思う。徳島大学理工学部 機械科学コース
大阪大学基礎工学部 システム科学科 機械科学コース
・志望動機
・やりたい研究はどのようなものか
・併願校(合否には関係ないと言われた)
・試験の出来
・高専で履修してない問題はあったか
・2年のとき留学した経緯
・大学に入った後の進路
・高専での研究まとめ
高専から大学編入
はじめまして。これから編入試験体験談を書いていきます。その前に受験校を紹介します。
豊橋技科大 機械工学課程 GAC
徳島大学 理工学部 機械科学コース
大阪大学 基礎工学部 システム科学科 機械科学コース
この3校全てに合格することができました。
はっきり言ってあまり参考にならない体験談かもしれません。
私としては,
"推薦の大学か学力の難関大で迷っている人"
"受験勉強始めるのが遅くなってしまった人"
を勇気づけられたらと思います。
今思えば受験が終わるまであっという間。言えることはある程度勉強すれば,なるようになるし,どっかの大学には合格できるということでしょうか。そういう意味では一般の大学入試よりは楽なのかと感じました。
私は学力で自分の本命の大学・コースを受けて本当に良かったと思います。もし不合格だったとしても後悔はなかったと思っています。
高専生活を振り返りながら,編入試験までの道のりを書いていくつもりです。
遅くなりましたが,以下の記事です(笑)