tanukinancのブログ

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編入体験 B3を通して思ったこと

 

tanukinanc.hatenablog.com

 B3(学部3年)を無事に終えることができました。ということで、この続きを書いていこうと思います。

 

後期の授業

 後期の授業はこんな感じでした。

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 前期と比べると後期は楽だった。月水は午前または午後だけだし、総合演習は4週に1回は予備日で休みになるので、余裕はあった。

 2年生の科目は、数学C(フーリエ解析)、設計工学、解析力学だった。解析力学は必修ではないが履修した。他は3年生の科目。総合演習は、自分たちでプログラムを作って結果を整理するなど、より自主性が求められる工学実験みたいな感じだった。

 高専で習った科目は、数学C、設計工学だったので、前期よりは新しく習った授業が多かった。計測工学は高専でも習ったが、計測機器のことよりも、統計とか相関とかについて重点的にやっていたので、内容が全然違った。

 夏休みの間に大学の短期留学プログラムに参加して、専門科目として換算できる単位を2単位(1科目分)もらえたので、それを含めると卒業に必要な単位数より3単位(1科目と半分)多く取ったことになる。

 

授業・レポートの忙しさ

  "大学は授業スピードが高専の3倍以上"とか聞いたことがあって、めっちゃ大変なんじゃないかと思っていたけど、実際はそんなに大変という訳ではなかった。

 確かに高専で通年でやる科目を半期でやっていたりするので、スピードは速いと思うが、その分内容を絞っているので、ノートを取れない程の速さではないし、授業についていけないこともない。そして授業でやっていない内容はテストに出ないので、テストが大変となることもない。

 高専と大学の授業違いで言えば、高専は"公式を使って計算すること"をやっていたが、大学は"どのように公式を導出するか"など理論の理解に重点を置いている感じがした。研究をしていくためには、やはり後者の視点で考えていくことが重要だと思うので、高専で習った科目を再び大学で履修したが新しく学ぶことはあった。

 レポートはそんなに多くなかった。高専4年の工学実験があった時は通年で24テーマあって毎週10ページ以上のレポートを書いていて大変だった記憶がある。それに比べて、B3前期の工学実験は6テーマしかなく、1テーマを2週かけてやる感じだったので、毎週レポートに追われることはなかった。ただし、1つ1つのレポートは高専のときより難しく大変だった。B3後期の総合演習も工学実験に似ていたが、3テーマあって1テーマを3週かけてやっていた。

 座学の授業のレポートはそんなにでなかった。出たとしても例題を解くみたいな易しいレポートが多かった。出席取らないレポートなしのテスト1発勝負の科目(特に必修でない科目)も結構あった。

テスト

 "阪大は単位が地中に埋まってる(大阪湾に沈んでいる)"なんて言われているから、定期テスト編入試験くらい難しいんじゃないかなんて思っていたが、そんなことはなかった。そんなに難しかったらみんな落単してしまう笑 一般教養科目は知らないけど、専門科目については普通に授業受けてれば単位は取れる。

 テストは過去問で対策すればだいたいはOK。高専みたいに100点の人続出みたいな簡単なテストはないけど、めちゃくちゃ難しい訳ではない。ただし、持ち込み可の科目はあんまりないので、早めにテスト勉強始めた方が良い。

成績

 大阪大学はGPAで成績がつけられるが、S 4.0(90点以上)、A 3.0(80点以上)、B 2.0(70点以上)、C 1.0(60点以上)、F 0.0(60点未満)という基準になっている。

 よく分からないのが成績のつけ方で、高専のようにテスト〇割、レポート〇割...というようにシラバスに明記されていないし、口頭でも説明されない。また、平均点が30点くらいの難しいテストでも、だいたいの人が合格していたり、90点取れてなくてもSもらえたりすることもあるので、テストの点がそのまま成績にならず、相対評価で成績をつけている科目もあると思う。

 大学では基本的にテストは返却されない。なので、成績のつけ方は本当にブラックボックス

 

編入生が良い成績取れる理由

 "編入生は優秀だから、心配しなくて大丈夫"みたいなことを編入した先輩とかによく聞いたことがあった。編入前はその人たちがたまたま天才だったからとか思っていたけど、編入後はなんで良い成績が取れるのかが分かった気がする。

 1つ目の理由は、内部生の勉強に対するモチベーションがあまり高くないことだと思う。教室も前の方の席は空いてるし、出席取らない授業の出席率は低い。サークルとかバイトを頑張っている人もいるし、大学に合格するのが目標だったから、大学では最低限の単位取れればいいやみたいな人も結構いる。自分のコースだと成績上位10%は大学院への推薦(院パスと呼ばれている)をもらえるが、それを目指す人はあんまりいない印象がある。それに比べ編入生は、きっとやりたい研究があって入ってくるから、勉強するモチベーションがある。(そして、自分みたいにサークルやってないと勉強以外やることがない泣)

 2つ目の理由は、基礎科目の理解だと思う。高専で通年でやる科目も大学では半期科目となる。例えば機械の4力も大学では半期でやっているので、詰め込みみたいになってしまうので理解が追い付かないのかもしれない。(※さすがに半期では無理があるということで、2020年度から4力は全てABに分かれることになるらしい。Bは必修ではないので編入生は受けなくていいかも。)高専では時間をかけてやるし、さらに編入試験でも勉強するので、理解が深まっていると思う。基礎科目の理解は他の科目にも利いてくるので、授業についていきやすくなると思う。

 3つ目は自分のいるコース限定の話だが、システム科学科は知能・機械・生物の3コースに2年生になってから分かれるらしい。優秀な人は知能に行くらしいので、機械科学コースで成績上位に入るのは比較的容易なのかなと思う。機械の編入生の先輩方も大半は院パスを取れたらしい。

 

学部学生の大学院科目履修制度

  最後におまけの情報。2020年度から始まる制度で、学部生(B4)のうちから大学院科目を履修することができるようになるらしい。もちろん、B4の段階では大学院の入学料や授業料は払う必要はない。ただし、次の条件がある。

  • 1~3年次の必修科目を全て修得し、特別研究(卒研)の履修条件の単位数を修得していること。
  • 履修希望者は3年次終了時の成績をもとに選考が行われる。どれくらいの成績の人までが履修できるかは明記されていない。
  • 履修科目の制限は、10単位以下。また、学部・大学院共通科目と必修科目は履修できない。

 10単位というのは5科目分で、4年次に卒研しかない人は、前後期それぞれ2、3科目取るのは時間的に余裕だと思う。大学院科目を履修することで、卒研に活かせることがメリットだと思う。

 機能創成専攻(大学院の機械科学コース)の修了条件は30単位で、そのうち研究関係(必修科目)の単位は12単位なので、実質授業として取る必要があるのは18単位。学部のうちに最大10単位を修得すれば、大学院に入った後あまり授業を取る必要がない。

 ということで、これに関しては未知のところも多いけど、3年で良い成績を取るためのモチベーションにもなると思う。

 

 

まとめ

 編入当初は単位認定少ないし、単位認定試験あるし、自分のコースは編入生に不利なんじゃないかなんて悲観していたが、一年を通してみてそんなにきつくは感じなかった。自分のコースは院パスも取りやすいので、多少不利なこともなんとか耐えられると思う。(もちろん単位認定は増やしてほしいが笑)

 特に前期は高専で履修した授業と結構被っていたので、専攻科から大学院目指した方が有意義だったんじゃないかと思ったりもした。しかし、大学に入って院パスを取れれば、院試の手間が省けるし、学部・修士で同じ研究ができると考えれば、全然悲観することないと今では思う。

 勉強が大変すぎるという訳でもないので、サークルやバイトも十分できる。自分は英会話サークルに1回だけで終わったが、サークルに入れば、阪大にはせっかく色んな学部があるので色んな人と交流できると思う。他人事だけど笑

 自分は編入後の大変さとかをあまり考えずに志望大学を決めたので、一番はやりたい研究とか直感で決めたらいいと思う。編入してみないと分からないことも結構あるし、人それぞれ感じ方も違うので、これが全てと思わずに読んでもらえればと思います。