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論文の検索、翻訳、文献管理、論文作成に役立つwebサイト

学部の卒業研究や大学院では、論文紹介のプレゼンや自らの論文作成をすると思います。

とはいえ、急にやれと言われても大変ですよね...

しかし、世の中には様々な便利なツールがあり、それらを使いこなすことで、効率的な作業ができます!

今回、(主に理工系向けの)論文の検索、翻訳、文献管理、論文作成に役立つ、基本的に無料で使えるwebサイトをまとめました。

 

 

アカウント登録時のメールアドレス

紹介するいくつかのツールはアカウント登録が必要です。

教育機関の関係者の無料特典があることもあるので、大学のメールアドレスで登録しましょう。

 

論文検索

Google Scholar

https://scholar.google.com/

Googleが提供する論文専用の検索サービスです。

例えば、普通のGoogle検索からだと、論文とは関係ない検索結果も表示されてしまいますが、Google Scholarなら論文のみを表示してくれます。

検索結果の論文の引用数や引用先も簡単にアクセスできます。

自分の研究分野の最新の動向を知りたいときは、1つ有名な論文を検索して、その論文を引用している最近の論文を探せば、その研究がどのように発展しているか確認できます。

また、研究者がユーザー登録していれば、その研究者の論文を一覧できるので、研究室選びなどにも参考になると思います。

 

翻訳

研究の世界では、英語の論文を出版することで、成果をきちんと全世界に発表したことになるため、最先端の研究の論文は英語です。

論文に慣れるためにも、英文のまま読む訓練をしていくことも大事ですが、初めはなかなか大変だと思います。

そんなときに、次のような翻訳ツールを使ってみるのもありです。(翻訳が必ず正しいとは限らないので、慎重に使いましょう。)

DeepL

www.deepl.com

よく使われている翻訳ツールです。

pdfなどのファイルごと翻訳できる機能もあります。

Shaper

dream-exp.net

pdfからコピペすると、変なところで改行が入り、その結果、翻訳もうまくいかないことがあります。

そんなときに、Shaperを通すと、改行を取り除いてくれます。

DeepLとの連携もされているので、Shaperを通した文章をワンクリックでDeepLで翻訳させることもできます。

 

文献管理

Mendeley

www.mendeley.com

参考文献や読みたい論文をMendeleyで管理することで、論文作成時の参考文献の整理などが簡単になります。

Mendeley上にpdfファイルもアップロードできるので、アップロードしておけば、家など論文へのアクセスができない場所でも論文を読めるようになり便利です。

LaTeXで論文を作成する場合は、Mendeleyからbibファイル用の情報をワンクリックで生成できるので便利です。

Google ChromeMendeley Web Importer拡張機能を導入すると、Mendeleyへの論文の取り込みが簡単にできます。(取り込み情報が間違っていることもあるので、その都度、登録された情報が正しいか確認することをおすすめします。)

 

論文の作成

LaTeXでの原稿作成

論文作成には、様々な点でLaTeXが便利です。

  • 章節、図、表、参考文献の番号の自動割り振りやリンクの埋め込みなど
  • 数式の編集しやすさ、きれいさ

など、他にも様々な利点があります。

多くの投稿論文の雑誌では、LaTeXのテンプレートが用意されています。

自分のパソコンにLaTeXの環境構築をすることはなかなか難しいと思いますが、環境構築がいらずに、オンライン上で簡単にLaTeXが使えるツールがあります。

Overleaf

www.overleaf.com

オンライン上でLaTeXが編集できるツールです。

共著者と共有することで、共著者に編集してもらうこともできます。

 

英文校正

学位論文や国内学会の原稿でも、アブストラクトなどは英語で指定されていることがあると思います。

文法などを気にしすぎると、なかなか書き進められませんよね。

そこで、次のような、スペルや文法の校正、用語の選択に役立つツールを使いながら作業することで、自信を持って英文を作成できると思います。

Grammarly

app.grammarly.com

スペルや文法のミスを指摘してくれるツールです。

Google ChromeのGrammarlyの拡張機能を入れると、他のサイトでも使うことができます。

無料プランでも、基本的なミスの確認には使えます。

有料プランでは、より分かりやすい文章への変更の提案などもしてくれます。

投稿論文の作成などで有料プランを使うときは、研究費が使えるので、研究費から支出してもらうように教員にお願いしてみるといいと思います。

Hyper Collocation

hypcol.marutank.net

過去に(arXivに)投稿された論文の中で、検索したワードがどれだけ使われているかを調べてくれるツールです。

例えば、似ている用語が複数あるときに、学術的にどの用語が一般的に用いられているかが分かります。

 

投稿論文の学術雑誌の選定

論文の投稿先の学術雑誌の候補を比較するときに役立つツールです。

ただし、これらのツールが全てではないので、参考文献がどの雑誌であるか、雑誌でどのような論文が出版されているか、編集委員は誰であるかなど、よく確認する必要があります。

Scopus

https://www.scopus.com/sources.uri

エルゼビアが運営する学術雑誌記事の書誌データベースです。

Scopusに採録されていて、雑誌の評価指標(CiteScore)もある程度あれば、悪質な雑誌(ハゲタカジャーナル)である可能性は低いです。

ただし、評価指標が過大評価、過小評価されていることもあったり、新しく創刊された雑誌が採録されていなかったりすることもあります。

SciRev

scirev.org

雑誌ごとに過去に投稿した人が口コミを書けるサイトで、査読者数や査読プロセスにかかった時間などを確認できます。

投稿から出版までのプロセスやスケジュールを確認でき、自分の研究や予定に合う雑誌かどうかをおおよそ確認できると思います。

しかし、出版論文数がとても多い雑誌以外は口コミが少ない印象なので、雑誌によっては参考にならないかもしれません。

自分が投稿した論文について口コミを書いておくと、後世の人が喜ぶかもしれません。